僕のトモダチ名簿のなかでいちばん若い親友 田中ユウくん10歳
.
僕の隣に、僕とほぼ同じ時期に幼い子を連れて引っ越してきた大学病院の先生邸宅がある。
当時数ヶ月のその子の名前はユウくん。先天的な心臓病があり、成長するのを待って手術したけど、
結果は良くなく、幼くして人工的な血液循環装置、いわゆるペースメーカを装着することになった。
小学校に入ったユウくんは、その影響で休みがちだったり、カラダが小さいことでいじめにあい、
一時は登校拒否に陥ったけど、持ち前の明るさと元気よさで克服し今は問題なく登校しているようだ。
ユウくんには5歳年下のSちゃんというおませで活発な妹がいる。
とても優しいユウくんはSちゃんに良い意味でイジられているけど、
いつもニコニコとイイなりになっている。その様子を見て僕もほくそ笑んでいる。
そんなお隣さんが明日9月1日から、米国の大学へ派遣のために1年間渡米することになった。
きっと、良い経験を積んで、大きくなって帰ってくるだろうと、ちょっと寂しいけど嬉しくなった。
餞別代わりに写真を撮ってプレゼントしようと思い、写真展に使っても良いとの承諾のもと、
ドレスコードを指定して自宅でスタジオ?撮りした。
絵コンテも描いたけど・・・そんなものは全く不要だった。
いつものごとく優しくイジられている様子を八ッセルのスクリーン越しに見て僕は、
「あっちでも仲良くイジられて・・」と、ほくそ笑みながらシャッターを押した。
この二人は、きっと、自由に空を飛べるはず。
何らかのマイナス面があったとしても、それ以上の何かプラス面を持つことができるはず。
ユウ君とS子ちゃんをみているとそんな気がする。
いってらっしゃい!
.